Japanese
English
特集 装具―最先端と臨床
関節リウマチ
Orthosis for rheumatoid arthtiris.
仲野 春樹
1
,
田中 一成
1
,
蓬莱谷 耕士
2
,
長尾 佳奈
2
,
佐浦 隆一
1
Haruki Nakano
1
,
Kazunari Tanaka
1
,
Kouji Houraiya
2
,
Kana Nagao
2
,
Ryuichi Saura
1
1大阪医科大学総合医学講座リハビリテーション医学教室
2大阪医科大学附属病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Osaka Medical College
2Department of Rehabilitation, Osaka Medical College Hospital
キーワード:
関節リウマチ
,
スプリント
,
装具
Keyword:
関節リウマチ
,
スプリント
,
装具
pp.1291-1296
発行日 2012年10月10日
Published Date 2012/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103695
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
関節リウマチ(rheumatoid arthritis;RA)は,免疫異常を背景とする関節滑膜の炎症により,手,足などの関節に腫脹と疼痛を来す多発性関節炎である.遷延する関節炎により骨,軟骨の破壊,関節包や靱帯の弛緩,線維化が生じ,可動域制限や筋力低下,関節の変形や動揺などの機能・形態の障害が生じる.さらに病期の進行とともに,機能障害が多関節に及ぶと同時に重症化すると起居,移動などの日常生活活動(activities of daily living;ADL)や家事動作などの日常生活関連活動(activities paralle to daily living;APDL)が制限され,結果として就学,就労などの社会,経済活動への参加が制約される1).
RAの疼痛や変形に伴う障害に対して,通常装具療法が行われるが,実際には治療法として頻繁に処方されるまでには至っていない.この理由として,装具療法に関する良好な治療成績(エビデンス)の報告が少ないことや装具の適応についての明確な基準がないことが挙げられる.
そこで本稿では,装具療法の目的や適応などついて,これまで報告されているエビデンスに基づいて再考し,今後のリウマチ治療における装具療法の位置づけについて解説する.
Copyright © 2012, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.