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編集後記
荻島 秀男
pp.691
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102968
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3回にわたって脊髄損傷をとりあげる事になったが,土屋先生の序文でその意とするところは十分ご理解戴けるものと思う.今回は脊髄損傷急性期の処置,対麻痺における痙性と脊髄切除術,脊髄損傷患者の骨・関節・筋系の変化,そして脊髄損傷対麻痺患者における性機能に関する病態生理と治療指導が含まれている.外国の統計では結婚後1年未満の対麻痺はほとんど100%近くの離婚で,結婚後5年以上経過している患者では離婚率が30%程度である.対麻痺患者の性機能に関しては身体的にも心理的にも重要な問題であり,リハビリテーションの経過で大きなウエイトを占める場合もある.完全横断脊髄修復の実験的試みも興味深い.
リハビリテーションは社会と密接に結びついた医学であり“ニード調査”は今後益々必要になると思われるし掲載文献は各地域でニード調査を実施される方々のよき参考となるであろう.
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