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編集後記
荻島 秀男
pp.231
発行日 1978年3月10日
Published Date 1978/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552103957
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難病とは厚生省によるいわゆる特定疾患をさしているが,考えてみれば不思議なよび方である.“治療の手段が難儀でお手あげの病”という意味で使われているのであろうが,われわれの通常感覚からすれば脳卒中,脳性麻痺などもかなりの難病である.スモンのように原因の究明もなされ対策も講じられると発生率は減少しているが,既にスモンで機能障害を起こしてしまっている方々は薬公害の犠牲になったわけでお気の毒である.
その点,薬は必要最低限の使用を基本とするリハビリテーション医療では薬公害に加担する面はないにしても,難病のリハビリテーションにおいて出来得る最大限のリハビリテーションサービスを提供しているかどうか疑問である.リハビリテーションを行っても仕様がないという事で紹介も全く無いケース,リハビリテーションに患者が廻って来ても担当側のmotivationのないケース,病気について医師が十分に患者や家族に説明をしないケースなど,色々の場合が考えられる.
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