特集 対麻痺のリハビリテーションⅠ
完全横断脊髄修復の試み―われわれの実験の紹介
鈴木 二郎
1
,
相原 担道
1
,
樋口 紘
1
1東北大学脳研脳神経外科
pp.630
発行日 1973年6月10日
Published Date 1973/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102955
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脊椎動物の脊髄切断実験は,多数の研究者により,古くから行なわれてきたが,脊椎動物のうち,魚類や両棲類は,脊髄が完全に切断されても神経線維の再生がおこり,約3週間で切断部は完全に再建されることが観察されている.
しかし,一方,高等動物である哺乳動物の脊髄切断後は,その切断間隙に結合織細胞や神経膠細胞による瘢痕組織が,早期に強固に侵入増殖するために,再生神経線維は,この瘢痕組織を貫通することができず,損傷脊髄の修復はほとんど不可能であるというのが従来の定説であった.
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