境界領域
完全横断脊髄修復の試み
相原 坦道
1
,
樋口 紘
1
,
鈴木 二郎
1
Hiromichi AIHARA
1
1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科
pp.58-67
発行日 1972年1月25日
Published Date 1972/1/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408904642
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緒言
脊椎動物の脊髄切断実験は,多数の研究者によつて,古くから行なわれてきたが,脊椎動物のうちでも魚類や両棲類は,脊髄が完全に切断されても神経線維の再生がおこり,約3週間で切断部は完全に再建されることが観察されている20).
しかし,動物が高等になるにつれて,とくに哺乳動物では,脊髄切断間隙に結合組織細胞や神経膠細胞による瘢痕組織が侵入増殖するために,損傷脊髄の修復はほとんど不可能であるというのが従来の定説であつた.
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