装具・器械
われわれの開発せるカップ支持器(FS式)について—その紹介
角南 義文
1
,
藤原 紘郎
2
Yoshifumi SUNAMI
1
,
Hiroo FUJIWARA
2
1岡山大学医学部整形外科学教室
2岡山労災病院整形外科
pp.1179-1184
発行日 1977年12月25日
Published Date 1977/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1408905634
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はじめに
関節リウマチ(以下RAと略す)やステロイドホルモンの長期投与などによつて生ずる寛骨臼底突出症,protrusio acetabuli,arthrokatadysisに対する治療法は,全人工股関節置換術(以下THRと略す)の出現によつて一すじの光明がみえたといえよう.しかし詳細に検討してみると,その性質上,カップを骨セメントで固定する際,カップが内方に深く入りすぎるための運動制限(第1図),寛骨臼底がうすいために生ずるリーミング時の穿孔1,14,19),疲労骨折13),など未解決の問題も残つている.
これに対し,1973年Eichler3,4)はMüller型THRに用いるカップ支持リング(Stützring)を考案し,45例の寛骨臼底突出症に応用して好成績であつたと報告している,われわれも5,6,18)Eichlerカップ支持リングを使用してみて,寛骨臼底突出症には非常によい方法であることは確認したが,手術手技の困難なこと,力学的に弱いことなどを考慮して,新しくカップ支持器(cup supporter)を考案して6,19)臨床に応用しているので報告する.
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