特集 日常診療に潜む「処方カスケード」—その症状、薬のせいではないですか?
【各論】
⓯転倒—転倒リスクを高める薬剤は鎮静薬だけではない〜薬剤の種類と予防、中止のタイミング
藤井 達也
1,2
1アンカークリニック船堀 整形外科
2株式会社mediVR
キーワード:
転倒
,
リスク因子
,
薬剤
Keyword:
転倒
,
リスク因子
,
薬剤
pp.1239-1241
発行日 2022年10月15日
Published Date 2022/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1429203978
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2025年には国民の4人に1人が75歳以上の“超高齢社会”になると予想されている1)。加齢に伴い、脳血管疾患2)、認知症3)、フレイル、サルコペニア4)の罹患が増加することが見込まれ、なかでも転倒は、健康寿命に大きな影響を与えるイベントである。転倒で骨折すれば、入院や手術、それに伴う内科的合併症治療、骨粗鬆症の評価治療、リハビリテーションといったカスケードとなり、膨大な医療資源が必要となる。そのため、転倒予防を目的としたさまざまな介入が必要だと、複数のガイドラインで述べられている5)。しかしながら、介入をするうえで最も考えるべきは、なぜ転倒したのか、その「理由」である。本稿では転倒の原因とリスク、なかでも薬剤に注目して解説する。
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