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増大特集 リハビリテーションQ&A
Ⅸ その他
55.顔面神経麻痺のリハビリテーション
Physical rehabilitation for facial palsy.
栢森 良二
1
Ryoji Kayamori
1
1帝京大学医学部リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Teikyo University School of Medicine
キーワード:
顔面神経麻痺
,
予後診断
Keyword:
顔面神経麻痺
,
予後診断
pp.758-763
発行日 2012年5月10日
Published Date 2012/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102532
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Q1 ベル麻痺やハント症候群の病態は何か?
顔面神経麻痺の原因のなかで,最も頻度が高いのはベル麻痺で,次いでハント症候群であり,この2つで70%を占めている1).
ベル麻痺では膝神経節における単純ヘルペスウイルスタイプ1の再活性化であり2),ハント症候群では水疱瘡帯状疱疹ウイルスの再活性化である.再活性化とはいったん感染したウイルスが病原性を発揮せず常在しており,免疫力低下や局所刺激などによって膝神経節で神経炎を起こすことである.さらにこの部位の顔面神経管は直径1mmほどの骨性空間であることから,炎症腫脹によってさらに顔面神経や栄養血管は絞扼障害される(図1)3,4).栄養血管閉鎖による血行不全はさらに腫脹を増悪し,絞扼障害はますます進行し悪循環が成立する.臨床的には発症1日目の顔面神経麻痺症状は軽症であるが,2,3日目と症状は増悪していく.
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