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特集 身につけたいリハビリテーションの最新スキル
顔面神経麻痺のリハビリテーション
Physical rehabilitation of facial palsy and synkinesis
栢森 良二
1
Ryoji Kayamori
1
1帝京大学医学部リハビリテーション科
pp.306-312
発行日 2013年4月20日
Published Date 2013/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1411102418
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POINT
●リハビリテーション(以下,リハビリと略す)手技の神経解剖,生理学的基礎を理解する。
神経断裂線維があると迷入再生による病的共同運動(以下,病的運動と略す)が生じる。随意運動によって神経再生は良好であるが,神経断裂線維の再生も促進され病的運動も増悪する。
●電気生理学なENoGで機能予後診断を行う。
ENoG<40%の症例では4か月後に(40-ENoG)%の病的運動が出現すると考え,リハビリを行う。
●3~4か月までに完治しなければ,これ以降は迷入再生線維による表情筋への過誤支配であり,病的運動が顕在化する。
●急性期リハビリの目標は病的運動と顔面拘縮の予防軽減である。
粗大な随意運動や低周波刺激を行わない。表情筋のストレッチングによって短縮を予防する。上眼瞼挙筋による開瞼運動を行い眼裂狭小化の予防と前頭筋収縮伸長を促す。
●迷入再生回路がある症例では表情筋を収縮する筋力強化やフィードバック手技によって,病的運動は増悪する。
●慢性の病的運動に対してはボツリヌス治療を行い,神経筋再学習によって表情運動を大脳皮質コントロールにしてこれを軽減する。
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