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編集後記
川
pp.620
発行日 2011年6月10日
Published Date 2011/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552102120
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気がつけばもう6月,いよいよ節電の夏がやってきます.そこでそもそも電気などなかった江戸時代の人たちはどんな暑さ対策をしていたのかちょっと調べてみました.まず朝夕の打ち水で涼気を得る.そして簾で直射日光を避ける.そういえば東京のある区では,「緑のカーテン」を普及させるべく,ゴーヤの苗を配ったとニュースで見ました.これは簾の遮光効果に葉の蒸散作用も加わり,かなり効果的とのこと.さらに,風鈴や金魚玉を吊るして目と耳から涼を感じる.なかなか風流な暑さ対策です.しかしなんといっても江戸人の究極の暑さ対策は,「暑い夏は働かない」こと.暑い日中は風呂屋に入りびたり,二階でごろごろして,汗をかいたら湯に入る.江戸時代の風呂屋はいわばサロンで,一日中閑をつぶせたそうです.そして日が暮れて涼しくなったら外の縁台で一杯やりつつ将棋を指したり,花火見物に出かけたり.なんとも粋でうらやましい.最も効果的と思われるこの方法,サラリーマンには真似できそうもないのが残念です.しかたがないので,今年は軒下に風鈴でも吊るしてみます.
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