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講座 リハビリテーション医学研究で使われる多変量解析・4
主成分分析・因子分析・クラスター分析
Principal component analysis, factor analysis and cluster analysis.
折笠 秀樹
1
Hideki Origasa
1
1富山大学医学部バイオ統計学・臨床疫学部門
1Division of Biostatistics and Clinical Epidemiology, School of Medicine, University of Toyama
キーワード:
QOL評価
,
固有値分解
,
因子負荷量
Keyword:
QOL評価
,
固有値分解
,
因子負荷量
pp.731-740
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101569
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主成分分析
1.目 的
多数個の変数があり,それらの変数をいくつかのブロックに分けたいときに主成分分析(principal component analysis;PCA)を用いる.例えば,1~5番目の変数はADL(activities of daily living)に関するものであり,6~10番の変数は認知機能,11~19番の変数は社会性に分ける.このようにして得られたブロックのことを主成分と呼び,それは元の変数の線形結合で合成される.ある意味,19個ある変数を3つの量へ縮約したとも解釈できる.
それぞれ元の変数は連続量である(すなわち正規分布に従う)ことが望ましいが,順序尺度や2値尺度であっても実用的には適用可能である.さらに,このようにして構成された変数のブロックに基づいて,対象である個体をグループ化することもできる.ただし,最初からどんなブロックになるか,あるいは何個のブロックかは想定せず,いわば探索的観点から分析する手法である.また,個体の分類については,プロットをみながら判断するので,多少の恣意的要素が入る可能性のある手法である.主成分分析も後で述べる因子分析も同様であるが,QOL(quality of life)質問票や疾病の重症度スケールの構造妥当性を検討する時によく利用される.
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