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特集 臨床神経生理学のリハビリテーションへの応用
脳卒中上肢に対する治療
Therapy for hemiplegic upper extremity in stroke patients.
原 行弘
1
Yukihiro Hara
1
1日本医科大学千葉北総病院リハビリテーション科
1Department of Rehabilitation Medicine, Chiba Hokusoh Hospital, Nippon Medical School
キーワード:
臨床神経生理学
,
脳卒中
,
上肢
,
機能的電気刺激
Keyword:
臨床神経生理学
,
脳卒中
,
上肢
,
機能的電気刺激
pp.711-717
発行日 2009年8月10日
Published Date 2009/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101565
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はじめに
手法が豊富かつ効果的である歩行訓練に比べて,脳卒中片麻痺の上肢機能回復を促す従来のリハビリテーションアプローチは乏しく,非効率的な印象を受けることが多い1).しかし,脳機能イメージングの進歩により,臨床神経生理学のなかでも,脳の可塑性および脳神経の機能的再構築や解剖学的再構築に関する研究には目をみはるものがある2).これにより片麻痺回復の可能性が再認識されるとともに,相次いで臨床神経生理学の進歩を土台とした新しい上肢麻痺回復へのリハビリテーションアプローチが提唱されてきている.
特に,ニューロリハビリテーションは,脳機能イメージングの発展を背景に神経科学と連携した新しい分野であり,神経損傷後の機能回復促進を目的にしている.脳神経の再構築を促して片麻痺上肢機能の改善を目的とした新たなリハビリテーション手法として,ロボット訓練法,constrained-induced movement therapy(CIMT),反復経頭蓋磁気刺激(repetitive transcranial magnetic stimulation;r-TMS),経頭蓋直流電流刺激(transcranial direct current stimulation;t-DCS),機能的電気刺激(functional electrical stimulation;FES)がある.なかでも,脳卒中患者の上肢麻痺に対するFESにおいてはさまざまなmodalityが開発され,臨床に応用されている.本稿では,FESを中心に,臨床神経生理学を活用した片麻痺上肢機能の治療の現状と今後の可能性を検討する.
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