Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「ひめゆり」―トラウマを越えて語る戦争の真実
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.175
発行日 2009年2月10日
Published Date 2009/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101452
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日本の教育は,おそらく良いと評価されたことはないはずだ.常に問題を抱え,改革が叫ばれる.そして,これは「学校」シリーズを作っている頃の山田洋次監督の言葉だが,「日本の教育は改革するたびに悪くなる」のだ.その一方,目立ちはしないが,世界に誇れる仕事もしている.戦後60年以上,当たり前のように続けてきた平和教育だ.
たとえば,1980年の韓国で起きた光州事件の実相を描いた「光州5・18」である.障害青年や高校生,一般住民を殺戮する軍隊に対して,軍の倉庫から武器を奪い,高校生やチンピラ,教師や神父までもが銃を手にして戦うのだから,連合赤軍のレベルではない.韓国には兵役体験者が多い.ベトナム戦争帰りもいる.見る者を泣かせる武装蜂起の話だが,平和教育が浸透している日本では,ありえないことだと思った.
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