映画
大仏開眼—大映京都作品/ひめゆりの塔—東映東京作品
pp.66-67
発行日 1953年1月1日
Published Date 1953/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611200266
- 有料閲覧
- 文献概要
天平17年奈良に遷都された聖武天皇は,銅,鉄を戦争に使わず平安のしるしである大仏造営に使えば叛乱を防ぐ一つの手段ともなる。その為に5丈が6丈になろうとも構わぬという御発意のもとに大仏造営が企だてられた。
造営長官には,身分は低いが,天才的な才能をもつ楯戸の国人(長谷川一夫)が取りたてられる。しかしこの大仏造営をめぐつて宮廷内の二大勢力が争い,国人を熱愛する娘,麻夜売(京マチ子)と前大納言未亡人(水戸光子)の邪恋等が物語を多彩なものとする。国人は,幾多の艱難を克服して大仏を完成するが,その直前に橘一門の再度にわたる悪辣な妨害を身をもつて防ぎ無事に完成された大仏を見なから世を去る。一方,麻夜売は,悲嘆の末,白衣をまとつて大仏の掌の上で,いたましくも狂い踊つている。という悲劇で結んでいる。
Copyright © 1953, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.