Japanese
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研究と報告
高齢者の重度変形性膝関節症に対する運動療法の効果と限界
Effects and limitations of physical therapy for elderly patients with advanced-stage osteoarthritis of the knee.
今井 一博
1
Kazuhiro Imai
1
1横浜市スポーツ医科学センター整形外科
1Department of Orthopaedic Surgery, Yokohama Sports Medical Center
キーワード:
変形性膝関節症
,
高齢者
,
運動療法
,
筋力訓練
,
歩行訓練
Keyword:
変形性膝関節症
,
高齢者
,
運動療法
,
筋力訓練
,
歩行訓練
pp.989-992
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101360
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要旨:〔目的〕高齢者の進行期~末期の変形性膝関節症(膝OA)に対する運動療法の効果と限界について検討した.〔対象〕膝OAに対する運動療法目的に入院した進行期~末期膝OA患者で,退院後18か月以上追跡した39名(平均年齢74.7歳)とした.〔方法〕理学療法士の指導のもと,入院3週間で週5日間・1日60分間,膝関節可動域訓練,膝伸展位下肢挙上訓練,等速性大腿四頭筋訓練,歩行訓練を行った.評価項目として,膝伸展筋力,膝屈曲筋力,膝関節可動域,10m歩行速度,最大歩行距離を入院時および退院時に計測した.〔結果〕有意に膝伸展筋力,膝関節可動域,10m歩行速度の改善がみられたが,39名中10名が退院後8か月以内に人工関節置換術を受けた.X線進行度が北大分類Ⅳ~Ⅴ度,最大歩行距離が500m以下の症例では人工関節置換術適応となる率が高かった.〔結語〕末期膝OAに対しては,保存療法に限界があるため人工関節置換術を検討するべきである.
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