Japanese
English
特集 脊髄損傷リハビリテーション―現状・課題・展望
大脳皮質電気・磁気刺激による疼痛治療
Therapy of pain with electrical or magnetic stimulation of cerebral cortex.
齋藤 洋一
1
Youichi Saitoh
1
1大阪大学大学院医学系研究科脳神経外科
1Department of Neurosurgery, Osaka University Graduate School of Medicine
キーワード:
一次運動野
,
反復的経頭蓋磁気刺激療法
,
神経因性疼痛
,
脊髄損傷後疼痛
,
大脳皮質運動野電気刺激術
Keyword:
一次運動野
,
反復的経頭蓋磁気刺激療法
,
神経因性疼痛
,
脊髄損傷後疼痛
,
大脳皮質運動野電気刺激術
pp.941-943
発行日 2008年10月10日
Published Date 2008/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101351
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
はじめに
神経因性疼痛または求心路遮断痛には,脳卒中後疼痛,脊髄損傷後疼痛,腕神経叢損傷後疼痛,幻肢痛,複合性局所痛症候群などがあるが,有効な薬剤はあまり存在せず,慢性難治性疼痛に移行することがある.痛みは脳で認知されるので,われわれは脳に器質的病変のある場合と,それ以外の場合に分けて疼痛治療成績を解析しているが,脊髄損傷のように脳に器質的病変のない場合のほうが,大脳皮質刺激療法の効果が高いというデータが得られている1).
大脳皮質運動野電気刺激術(motor cortex electrical stimulation;MCES)の脳卒中後疼痛に対する有効性が見いだされてから2),各種求心路遮断痛に成功例が認められている3-5).その後,反復的経頭蓋磁気刺激療法(repetitive transcranial magnetic stimulation;rTMS)も登場し,脊髄損傷後疼痛も含めた難治性神経因性疼痛に一次運動野刺激が有効であることが報告された6).
Copyright © 2008, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.