連載 印象に残ったリハビリテーション事例
わが国初の脳死肺移植患者との日々
上月 正博
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1東北大学大学院医学系研究科内部障害学分野
キーワード:
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
,
脳死肺移植
,
ドナーカード
Keyword:
肺リンパ脈管筋腫症(LAM)
,
脳死肺移植
,
ドナーカード
pp.806-809
発行日 2008年8月10日
Published Date 2008/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101315
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プロローグ
移植は,「提供者(ドナー)」から「受給者(レシピエント)」に組織や臓器を移し植える医療である.わが国では,1997年10月に「臓器の移植に関する法律(通称,臓器移植法)」が施行されたことで,脳死での臓器提供による移植が可能になり,10年が経過した.この間に270名のレシピエントが移植を受けたが(2008年4月7日現在),海外に比較すると少数にとどまっている.
私は,わが国初の脳死片肺移植患者であるYさんの術前後1年間のリハビリテーションに立ち合う機会があった.Yさんは,私が経験した最初の肺リンパ脈管筋腫症(LAM)患者,脳死片肺移植患者であり,率直な会話や手記を通じてリハビリテーションを受ける患者側の気持ちを素直に伝えてくれた人であった.Yさんとの日々は,医師としての在り方を常に深く考えさせられた.
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