Sweet Spot 文学に見るリハビリテーション
金田一京助の『私の歩いて来た道』―障害が切り開く新たな人生の可能性
高橋 正雄
1
1筑波大学障害科学系
pp.510
発行日 2008年5月10日
Published Date 2008/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552101254
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アイヌ語の研究や石川たく木との交友で知られる言語学者金田一京助(1882~1971)が昭和43年に発表した自伝『私の歩いて来た道』(講談社)には,幼いころの金田一が絵を描くことの好きな子供だったというエピソードが紹介されている.
高等小学校に入った頃の金田一は,授業中でも算術などが人より先にできると,石磐をひっくり返して武者絵ばかり描いていたほど絵の好きな子供だった.兜をかぶった源義経や柴田勝家などの絵を描いていた彼は,将来美術学校に入って日本画家になるつもりでいたのである.
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