Japanese
English
特集 メタボリックシンドローム
治療―運動療法
Effects of exercise on metabolic syndrome.
大田 哲生
1
,
正門 由久
1
,
木村 彰男
1
Tetsuo Ota
1
,
Yoshihisa Masakado
1
,
Akio Kimura
1
1慶應義塾大学月が瀬リハビリテーションセンター
1Keio University Tsukigase Rehabilitation Center
キーワード:
メタボリックシンドローム
,
運動療法
,
内臓脂肪
,
生活習慣病
,
インスリン抵抗性
Keyword:
メタボリックシンドローム
,
運動療法
,
内臓脂肪
,
生活習慣病
,
インスリン抵抗性
pp.661-667
発行日 2007年7月10日
Published Date 2007/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100994
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はじめに
メタボリックシンドロームに対する運動療法の方法や効果についての報告はまだ多くはなく,一定の見解は得られていない.メタボリックシンドロームの疾病概念は,内臓脂肪の過剰蓄積が生活習慣病と関連の深い動脈硬化の発症につながるという考え方を元にしているが,脂肪細胞の働きが明らかになるにつれ,脂肪組織の量的増加を問題とするより,脂肪細胞の機能的異常が注目されるようになってきている.
これらのことを踏まえて本稿では,脂質代謝や糖代謝に対する運動の影響,血圧と運動という観点から話を進めるとともに,メタボリックシンドロームと関係の深い心血管性心疾患(cardiovascular disease;CVD)と運動という面からも運動療法について概説する.ただし,メタボリックシンドロームは生活習慣病の発症に大きな役割を演じており,これらの予防および治療にはライフスタイルの改善は欠かせないものとなっている.したがって,運動療法のみの効果というよりは,食事やライフスタイルの改善も含めて考えることとする.
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