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講座 臨床研究入門―着想から論文執筆まで・6
論文の書き方
How to write a paper.
川村 孝
1
Takashi Kawamura
1
1京都大学保健管理センター
1Kyoto University Health Service
キーワード:
構造化抄録
,
ストーリー
,
パラグラフ
Keyword:
構造化抄録
,
ストーリー
,
パラグラフ
pp.573-581
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100964
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はじめに
前号までに研究計画の立て方,データの解析方法などを解説した.既存の診療データであれ,新たに集めたデータであれ,解析して新しい知見を得たときにはそれを報告しなければならない.それは,医療や保健事業の直接のエビデンスは保健・医療の現場からしか得られず,そのエビデンスの素となる臨床上の経験は一臨床家や一施設の範囲では限りがあるため,皆で持ち寄って共有すべきものだからである.また,データを収集した以上はそれを世に出して活用してもらわなければ,データを提供していただいた患者らに報いることにならないからでもある.
研究の公表の仕方には,学会発表と論文刊行がある.前者はよくなされているが,学会参加者以外の人の目に触れにくく,また簡単な抄録以外には後から辿ることができない.論文は,書くのに少々骨が折れるが形が残り,英文論文はもとより,和文論文でも英文抄録が付いていれば世界の人々に参照してもらうことができる.研究者にとって,論文でないと業績として認められないという側面もある.
本稿では,世の中の人々に役立ててもらうため,「自身の経験を何とか論文としてまとめあげる」ことを目的として,そのポイントを整理していく.すでに紹介したように研究にはさまざまなデザインがある(本誌4月号参照)が,コホート研究と症例対照研究を念頭に置いて筆を進め,介入研究については必要に応じて付記する.
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