特集 リハビリテーション関連職種の現状と展望
精神保健福祉士
小関 清之
1
Kiyoyuki Koseki
1
1医療法人社団木の実町診療所
1Kinomichou Clinic
キーワード:
精神障害者
,
精神保健福祉士
,
日本精神保健福祉士協会
Keyword:
精神障害者
,
精神保健福祉士
,
日本精神保健福祉士協会
pp.563-565
発行日 2007年6月10日
Published Date 2007/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100961
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はじめに
リハビリテーションの語源は,ラテン語のhabilis(形容詞)を語幹に,re(接頭語)を前接続し,名詞形に変えた合成語である.「再び適した状態にすること」の意味で,中世ヨーロッパにおいては「ガリレオのリハビリテーション(名誉回復)」のように「身分・地位・資格・権利・名誉などの回復」という全人間的復権を意味する概念であるとされている.医療分野や障害者福祉に関してこの用語が用いられるようになったのは,第一次大戦によって生み出された戦傷者に対する職業リハビリテーションにその端を発している1).こうした背景と理念を踏まえて,わが国の精神障害者の領域においても,1960年代半ばから始まった欧米における脱施設化運動と地域精神医療の進捗にさまざまな刺激と学びを得ながら,人権価値の回復と創造を基盤とした理念に基づいたサービスやアプローチが展開されてきた.
しかしながら,わが国におけるそれらは未だ端緒についたばかりである.幾度かの法改正および制度の転換が図られてきたが,精神病となった人,精神障害をもってしまった人,そしてその家族にとっての「全人間的復権」を果たしうる物心両面にわたる法制度の整備は,今日に至ってもなお,あまりにも脆弱と言わざるを得ない.
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