Japanese
English
講座 臨床研究入門―着想から論文執筆まで・5
データの分析―正しい分析方法を選択するために
Instructions for data analysis in clinical trials.
安藤 昌彦
1
Masahiko Ando
1
1京都大学保健管理センター
1Kyoto University Health Service
キーワード:
質的データ
,
量的データ
,
単変量解析
,
多変量解析
Keyword:
質的データ
,
量的データ
,
単変量解析
,
多変量解析
pp.467-472
発行日 2007年5月10日
Published Date 2007/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100850
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
はじめに
臨床研究を計画・実行し,データが得られた後は,いよいよデータ分析である.分析の計画はデータ収集が終わってから立てるのではなく,あらかじめ研究計画書に記載しておかなければならない.とは言うものの,あまり細部にわたる分析計画を臨床研究開始前に立てることは,少なくとも臨床研究の経験が浅い人には困難である.ただし,分析計画の大枠は研究計画書で規定しておくべきものであり,また実際にデータ分析に取りかかる前に作成する統計解析計画書では,具体的な分析手順を誰でも再現できるように詳細なデータ分析計画を記載する必要がある.そのためには,臨床研究でよく用いられる分析手法を一通り習得するとともに,各々の分析手法はどのような状況で使用されるべきかを知っておかなければならない.実際の計算はコンピュータソフトを利用することが当たり前になっており,研究者はその出力を読み取るだけであるが,状況に合った分析手法を選択し適用しなければ,当然ながら正しい分析結果は得られない.
今回は,臨床試験における一般的なデータ分析において留意すべき点について述べる.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.