Sweet Spot 映画に見るリハビリテーション
「やわらかい生活」―鬱と親和する世界とは
二通 諭
1
1石狩市立花川南中学校
pp.289
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100495
- 有料閲覧
- 文献概要
どうしてこんなに鬱の人が多いのだろう.せっかくいい仕事をしていたのに,あるいは,仕事を任せようと思っていたのに鬱で倒れてしまったという類の話は現実世界にはザラにある.一方,映画の世界で鬱に材を取った作品となるとなかなか思い出せない.娯楽性に欠けるし,かといって社会派的な方向にもっていくことも難しいので,つまり,商売になりそうな条件がないので製作意欲を喚起しなかったのだと思う.
しかし,ここへきてようやく「やわらかい生活」(監督/廣木隆一)だ.鬱にさいなまれる主人公をとにかく動かしてみたというところに本作の真骨頂がある.
Copyright © 2007, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.