Japanese
English
研究と報告
Pusher現象に対する座面角度調整の効果
The effect of the seat surface angle adjustment against the pusher phenomenon.
武捨 英理子
1
,
鈴木 誠
2
,
志水 宏行
3
Eriko Musha
1
,
Makoto Suzuki
2
,
Hiroyuki Shimizu
3
1総合病院大船中央病院リハビリテーション科
2川崎市立多摩病院リハビリテーション科
3昭和大学保健医療学部作業療法学科
1Department of Rehabilitation Medicine, General Hospital Ofuna Chuo Hospital
2Department of Rehabilitation Medicine, Kawasaki Municipal Tama Hospital
3Department of Occupational Therapy, School of Nursing and Rehabilitation Sciences Showa University
キーワード:
pusher現象
,
座面角度
,
リーチ動作
,
座位保持
Keyword:
pusher現象
,
座面角度
,
リーチ動作
,
座位保持
pp.269-274
発行日 2007年3月10日
Published Date 2007/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100489
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要旨:〔目的〕重度のpusher現象により,座位保持およびリーチ動作が困難であった2症例に対して座面角度の調整を行い,その効果を検討した.〔対象〕脳梗塞,脳挫傷にてそれぞれ入院中の2症例を対象とした.〔方法〕背もたれのない座位で前方にリーチしながら10本の輪を棒に入れることを課題とし,「座面調整なし条件」と「座面調整あり条件」で実施した.「座面調整あり条件」では,三角形スポンジマットを症例の麻痺側座面に挿入し,座面が非麻痺側に傾斜するよう角度を調整した.〔結果〕「座面調整なし条件」で移動し得た輪の個数は,症例1は6.0±3.9個,症例2は0個,「座面調整あり条件」では,症例1は9.7±1.0個,症例2は6.1±1.5個と有意に移動し得た輪の個数が増加した(症例1:p=0.021,症例2:p=0.005).〔結語〕座面角度の調整により,両症例ともにリーチ動作遂行に明らかな改善がみられた.今後は実際の日常生活動作に応用し,さらなる有効性の検討が必要である.
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