Japanese
English
特集 脳卒中治療―最近の話題
リハビリテーション
高次脳機能障害
Cognitive rehabilitation.
渡邉 修
1
Shu Watanabe
1
1首都大学東京健康福祉学部
1Tokyo Metropolitan University
キーワード:
高次脳機能障害
,
エビデンス
Keyword:
高次脳機能障害
,
エビデンス
pp.1135-1139
発行日 2006年12月10日
Published Date 2006/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100425
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はじめに
2001年,厚生労働省は高次脳機能障害支援モデル事業を開始し,2004年には,診療報酬請求の対象疾患として「高次脳機能障害」を単独で申告できるようにし,2006年,障害者自立支援法の実施にあたっては,都道府県の地域生活支援事業のなかに高次脳機能障害支援普及事業を盛り込んだ.このように,この数年間に国は高次脳機能障害者支援のための施策を医療,福祉に反映させてきた.
また,東京都では,2005年より高次脳機能障害者に対する地域支援を目的に,地域における福祉・行政関連職および高次脳機能障害者とその家族に対する簡易な手引書の作成を,各専門機関との連携を深めながら進めており,2006年からはその手引書の妥当性を検証する段階に入った.
以上のような,高次脳機能障害者に対する社会資源としての支援体制は少しずつではあるが整いつつあり,同様の動きは各都道府県においても進められている.
しかし,一方で,高次脳機能障害そのものに対する各種リハビリテーションの方法に関する科学性の解明が途上段階にあることも事実である.実際にどのようなアプローチが本当に効果があるのか,回復はいつまで期待できるのか?
本稿では,高次脳機能障害に対するリハビリテーションの科学性を模索する現在において,もっとも有益な情報となりうる,エビデンスの高い研究論文の積み重ねからなる各国の診療ガイドラインをまとめてみた.
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