Japanese
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講座 神経損傷部位と症状・5
下部脳幹病変―延髄梗塞でみられる中枢性顔面麻痺と急性呼吸不全
Lower brainstem lesion:central facial palsy and acute respiratory failure in patients with medullary infarction.
寺尾 心一
1
,
平山 幹生
1
,
祖父江 元
2
Shin-ichi Terao
1
,
Mikio Hirayama
1
,
Gen Sobue
2
1春日井市民病院神経内科
2名古屋大学神経内科
1Department of Neurology, Kasugai Municipal Hospital
2Department of Neurology, Nagoya University Graduate School of Medicine
キーワード:
延髄梗塞
,
中枢性顔面麻痺
,
呼吸不全
Keyword:
延髄梗塞
,
中枢性顔面麻痺
,
呼吸不全
pp.1055-1060
発行日 2006年11月10日
Published Date 2006/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100410
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はじめに
神経疾患,とくに脳血管障害患者を診療するうえで,病変の局在診断は重要である.脳幹病変では多彩な神経症候が発現する可能性があり,これらの症候の組み合わせで病変の局在が推測できる.近年は神経学的身体所見の把握に労力を注がなくても,CTやMRIなどの画像所見から,急性期の診断と治療を開始するといった日常診療が十分可能となってきた.しかしながら,神経障害部位と症状の関係を知ることは神経疾患のリハビリテーションを進めるうえで非常に重要であり,障害部位の同定によって出現する障害を予測したり,障害部位の神経機能の分析からその出現機序を検討することなどに有用である.
本稿では下部脳幹病変の神経症候のなかで,最近われわれが報告した ①延髄梗塞でみられる中枢性顔面麻痺1-4),②延髄梗塞でみられる急性呼吸不全5)といった2点に絞って,症例を呈示しながら概説する.
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