一頁講座 日本全国,こだわりの住宅改造
壁の少ない住宅における手すり設置の工夫
今村 義典
1
,
當山 まり
2
1ちゅうざん病院リハビリテーション科
2同訪問リハビリテーション部
キーワード:
沖縄
,
住宅改修
,
手すり
Keyword:
沖縄
,
住宅改修
,
手すり
pp.1075
発行日 2005年11月10日
Published Date 2005/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100218
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沖縄の住宅事情
沖縄の一戸建て住宅は,鉄筋コンクリート造りの俗に外人住宅と呼ばれている洋風住宅と従来の沖縄の住宅,赤瓦の埴輪タイプの住宅が混在している.洋風住宅は一般に床が低く,屋内も比較的平坦で,バリアフリーの造りになっている.それに反して,従来の沖縄風の住宅は床が高く,上がり框は腰掛けるには便利だが,高齢者や膝の悪い人の出入りには不便で,段差解消の踏み台や手すりの設置をよく見かける.間取りは,家屋の中心部を壁で仕切り,周囲に部屋があり,外周に廊下を廻らすか,または庇を深くし窓や引き戸で外に面している.棟は高いが鴨居は低い造りで,直接日射熱を受けにくく,風通しの良い暑気対策の造りになっている.中心部の壁側には押入れやタンス,仏壇等が設置され,室間の仕切りは障子やフスマで,家によっては取り外されていることもあり,支えになる壁が少ない状態である.なかには,トイレやシャワー室が床より低く造られ,段差解消の踏み台や手すりが必要になる.
今回,本人・家族がADL自立に向け工夫施工した事例について紹介する.
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