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はじめに
Mobility(移乗・移動能力)は,「周囲の環境のなかで効果的に動く個別の能力」と定義される1).van Bennekomら2)は,mobilityを“移乗したり,体位を変えたり保持する過程”と述べている.一般に,mobilityは日常生活活動(ADL)の1項目として,Barthel IndexやFIM(Functional Independence Measure)をはじめとする多くのADLスケールに含まれているが,歩行や車椅子操作などいくつかの移動手段をとらえているにすぎない.
Rivermead Mobility Index(RMI)は,1991年にRivermead Motor Assessmentを改良し,mobilityの評価法として作製された14項目の質問と1項目の行動観察からなる15項目(15点満点)の評価法である3).本評価法は諸家によって,高い妥当性と信頼性が報告されてきた4,5).当初,脳卒中や頭部外傷の患者の評価に使用されていた3-5)が,その後は多発性硬化症6),ミエロパチー7),下肢切断8)など多くの疾患で使用されている.また,Lancet9)やStroke10),BMJ11)など世界の一流誌に掲載された論文でも,RMIは用いられている.さらに,英国や米国などの英語圏だけでなく,イタリア12),ドイツ13),台湾14)など多くの国々でも使用され,mobilityの共通スケールとして認識されている.
そこで,われわれは原著者の1人であるDerick T Wade氏の許可を得て,RMIの日本語版を作製し,本邦において実際の医療現場で使用しうるものかどうかを検討した.
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