Japanese
English
研究と報告
身体的ガイドとフェイディング法を用いた左手箸操作の練習方法
The practice method of chopsticks operation by left hand using physical guidance and fading method.
山﨑 裕司
1
,
鈴木 誠
2
Hiroshi Yamasaki
1
,
Makoto Suzuki
2
1高知リハビリテーション学院理学療法学科
2聖マリアンナ医科大学横浜市西部病院リハビリテーション部
1Department of Physical Therapy, Kochi Rehabilitation Institute
2Department of Rehabilitation Medicine, St Marianna University School of Medicine, Yokohama City Seibu Hospital
キーワード:
箸操作
,
身体的ガイド
,
フェイディング
,
学習
Keyword:
箸操作
,
身体的ガイド
,
フェイディング
,
学習
pp.859-864
発行日 2005年9月10日
Published Date 2005/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1552100177
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はじめに
脳血管障害や脊髄損傷患者,切断患者など,新たに障害をもった患者が行う日常生活動作の多くは,障害を有する以前には経験していない動作であり,その練習は動作の学習過程として捉えられる.一方で,日常生活動作練習を行う対象者の多くは高齢者や高次脳機能障害を合併した患者であり,記銘力低下や注意障害などの学習困難性を有することが少なくない.このため,難易度の高い動作練習を実施した場合,練習中に失敗を繰り返すことが避けられない.度重なる失敗経験は学習性無力感と呼ばれる状態を引き起こし,モチベーションの低下と学習能力の低下を引き起こすことが知られており1),学習を促進するためには達成感が得られる練習過程の創出が重要である2).
非利き手による箸操作は,利き手交換が必要な片麻痺患者にとって高頻度に行われる動作練習であるが,その難易度の高さから学習の困難性が報告されており3,4),成功体験が得られる練習過程の創出が必要な日常生活動作の一つである.失敗経験を少なくした動作学習プロセスを構築する方法としては,学習理論を基礎とした行動分析学において身体的ガイドやフェイディング法が用いられており,さまざまな場面において実効を挙げている5).
本研究では,箸操作の課題分析によって身体的ガイドとそのフェイディング方法を考案し,それらが左手による箸操作の学習に与える影響について検討した.
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