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編集後記
加藤 浩
pp.1078
発行日 2024年9月15日
Published Date 2024/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203600
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9月号をお届けします.今月の特集は,「最適な非対称性動作を考える」です.理学療法を実施する際,患側機能は健側を基準に評価され,健側の動きに近づけることが治療目標とされることは少なくないと思います.しかし,解剖学的にみた場合,左右対称にみえても,注意深く観察すると左右非対称の形態であることが多いことに気づきます.また,日常生活活動においても利き手(足),非利き手(足)があるように左右でパフォーマンスや筋出力などに違いが存在します.これらのことから考えると,ヒトの動作においても,効率的な非対称性動作が存在し,それは,動作を遂行するうえで重要な役割の一つである可能性があります.本特集では,さまざまな視点から非対称性動作の特徴や,治療を進めるうえでのメリット,デメリットなどについて解説していただきました.
Close-upでは,「小型カメラの理学療法活用」にフォーカスを当てました.今回は,人工知能(AI)技術を活用した小型カメラを用いた動作分析の精度や,利点,欠点などわかりやすく解説していただきました.これらの技術は,今後,ますます進展していくものでもあり理学療法への活用が大いに期待されるところです.巻頭カラー連載でとり上げている「視覚ベースの動作分析・評価」なども,情報をAIに学習させることで,将来的にはAIベースである程度の分析が行える時代が来るかもしれません.その他,連載企画の内容も非常に興味深く,読み応えのある内容となっています.
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