連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第3回
—運動器疾患—人工膝関節全置換術後の歩行練習
田中 友也
1
Tomoya TANAKA
1
1苑田会人工関節センター病院
pp.707-713
発行日 2024年6月15日
Published Date 2024/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203494
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人工膝関節全置換術(TKA)後患者に歩行練習を行う意義
変形性膝関節症[膝osteoarthritis(OA)]は,主症状の関節変形や関節痛から歩行障害を生じることで日常生活活動が制限されます.そのため,多くの膝OA患者は,人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)に対して歩行能力の改善を一番に期待しており,TKA後の歩行練習を重要な内容と捉えています.
TKA後の歩行能力の低下は,術後の日常生活活動の範囲を狭め,身体活動量を低下させます.そのため,急性期から回復期にかけて継続的に歩行練習を行う必要があります.しかし,歩行練習は「ただ単に歩かせる」だけではなく,患者の状態(痛み,下肢筋力,バランス能力など)を総合的に判断し,負荷や練習設定を調整して行うことが重要となります.また,歩行練習中に転倒が生じないよう安全な練習設定と介助を実施しましょう.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年6月30日).
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