連載 臨床実習サブノート 「どれくらい運動させていいかわからない」をどう克服するか・第2回
—運動器疾患—人工膝関節全置換術後の筋力増強運動
田中 友也
1
Tomoya TANAKA
1
1苑田会人工関節センター病院
pp.603-608
発行日 2024年5月15日
Published Date 2024/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203466
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人工膝関節全置換術(TKA)後患者と筋力低下の関係
変形性膝関節症[膝osteoarthritis(OA)]は,関節変形や関節痛が主症状とされており,この症状は,下肢筋力の低下とも関連しています.そのため,人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)の適応となる膝OA患者の下肢筋力(特に大腿四頭筋の筋力)は術前から低下していることが多いです.
TKA術後の筋力低下は,日常生活活動能力や歩行速度などの動作に影響するため,術後急性期より継続的に筋力増強運動を行う必要があります.しかし,術後急性期での筋力増強運動は,過剰な負荷量で実施すると痛みや腫脹などの炎症症状が増悪する可能性があります.そのため,患者の状況を考えながら筋力増強運動を行います.また,実施に伴う禁忌事項や合併症などのリスク(循環器疾患など)を確認し,運動中に転倒が生じない安全な体勢で運動を実施しましょう.
*本論文中,動画マークのある箇所につきましては,関連する動画を見ることができます(公開期間:2027年5月31日).
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