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かつて私は,理学療法士という言葉をまったく知らない経営を学ぶ夜学の大学生でした.その当時,大学卒であったとしても就職氷河期で,望む一般企業への就職はかなりの狭き門であり,どのように社会へ出ていくべきかよく悩んでいたことを覚えています.同時に教員をめざしていたこともあり,教職課程を履修するなか,クラスにたまたまいた同級生の理学療法士に「こんな仕事あるけど興味ある?」と声をかけてもらい,興味をもち始め手始めにとある病院のリハビリテーション助手として飛び込みで勤務を始めてから27年,理学療法士免許を取得し20年目となりました.その当時はとても大変だったと記憶されていますが,振り返ってみると昨日のことのように感じます.時の流れは早いものですね.
私にとってのターニングポイントは,1つ目は最初の就職の際,尊敬する上司(津曲良太郎先生)から通所リハビリテーション事業所の立ち上げに声をかけていただいたこと.2つ目は生活期勤務から急性期病院へ転職するとき.この2つが大きなものではないかと思います.特に生活期から急性期病院へ転職活動をする際にさまざまな募集へ応募しことごとく不採用となり,これが最後と決めて応募した先の面接官が近藤国嗣先生で,面接での受け答えはとても採用してもらえる内容ではなかったと当時思ったのですが「面白そうだったから」という理由で採用となり,キャリアチェンジのチャンスをいただけたことがありがたかったです.急性期へ移り,右も左もわからないことをなんとかしようと学会が主催する研修に参加したことがきっかけで学術活動を積極的に行うようになりました.そこから交流が広がり,研究・講師活動を行う機会を得るようになったり,最初は違った体験をしてみようと思い応援に行った施設に縁あって異動することとなり,現在は長年過ごした千葉県を離れ,神奈川県に移り主に循環器内科領域での診療に従事しています.
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