Japanese
English
症例報告
Anterior interval部の膝蓋下脂肪体に疼痛を呈した1症例
A case of pain in the infrapatellar fat pad at the anterior interval
吉井 太希
1
,
赤羽根 良和
1
Taiki YOSHII
1
,
Yoshikazu AKABANE
1
1さとう整形外科リハビリテーション科
キーワード:
SLR
,
超音波観察
,
半膜様筋
,
obligate translation
Keyword:
SLR
,
超音波観察
,
半膜様筋
,
obligate translation
pp.1133-1138
発行日 2023年9月15日
Published Date 2023/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551203198
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要旨 【目的】非外傷性要因により,anterior interval部痛が惹起された症例経験について報告する.【症例紹介】症例は60歳台の男性である.主訴は歩行時のanterior interval部痛であり,下肢伸展挙上テスト(straight leg raising test:SLR)にて再現痛が認められた.そこで,SLR時のanterior interval とその周辺部に対し,超音波診断装置を用いて観察した.SLRの角度が増大するに伴い,大腿骨顆部は前方に偏位した.また,膝蓋下脂肪体は表層かつ脛骨側に押し出され,anterior interval内で膨隆した.Anterior interval の遠位部には瘢痕様組織が観察された.【運動療法と結果】運動療法では瘢痕様組織の柔軟性を改善させたが,歩行時痛は著変しなかった.次いで,SLR角度の増大に伴う大腿骨顆部の前方偏位に対して,半膜様筋を中心に伸張性を改善させたところ,歩行時痛は消失した.【結論】Anterior interval 部痛の多くには瘢痕組織が関与している.しかし,本症例は大腿骨顆部の前方偏位といった非生理的な運動が,anterior interval に侵害刺激を加え歩行時痛が惹起されたと考えた.
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