新型コロナウイルス感染症—現場からの報告
レッドゾーン内でのリハビリテーション科スタッフ活動の工夫と臨床教育
萬代 陽介
1
,
米川 知宏
1
,
村上 清司
1
Yousuke BANDAI
1
,
Tomohiro YONEKAWA
1
,
Kiyoshi MURAKAMI
1
1嶋田病院リハビリテーション科
pp.870-871
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202747
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当院は福岡県筑後地区にある小郡市の集中治療室(intensive care unit:ICU)・一般病床・回復期リハビリテーション病床・緩和ケア病床を有する150床の救急告示・地域医療支援・在宅療養支援病院であり,24時間,365日,いつでも患者が受診できる体制構築の理念のもと診療を行っている.新型コロナウイルス感染症(以下,COVID-19)の流行を受けて感染病床を7床確保し,流行期には一般病床数を削減して病床数再編を行い,最大12床で中等症ⅡまでのCOVID-19患者を受け入れている.当院レッドゾーンでの運動療法を開始した2020年8月から2021年12月末までに131人のCOVID-19入院患者のうち55人に理学療法を提供した.その間に9人のスタッフがレッドゾーンで活動を行った.運動療法開始までの期間はレッドゾーンで平均日数2.3日,一般病棟の呼吸器リハビリテーション疾患で平均日数2.3日と一般病棟と変わらない期間で開始することができている.また,幸いにもレッドゾーンで活動するリハビリテーション科スタッフにこれまで陽性者は出ていない.
本稿執筆中の2022年2月中旬も円滑な運営とはほど遠く,第5波とは異なる第6波の患者層に試行錯誤の連続である.そのなかで,スタッフの人選や配置人数,スタッフ教育については特に手探りであった.そのなかで確立した当院での工夫を,① COVID-19患者へ運動療法を開始するまでの手続き,② スタッフ教育方法の2点に分けて述べる.
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