Japanese
English
症例報告
長下肢装具による介入に難渋し,恐怖心に配慮したチルトテーブルによる介入への変更が,座位バランス戦略の改善に奏効した左前大脳動脈塞栓症の1症例
A case of left anterior cerebral artery embolism in which intervention with knee ankle foot orthosis was difficult, and a change to a tilt table intervention with consideration of fear was effective for a seated balance strategy
森 公佑
1,2
,
髙田 勇
3,4
,
冨田 昌夫
5
,
遠松 哲志
6
,
和田 陽介
6
,
辻村 享
7
Kosuke MORI
1,2
,
Yu TAKADA
3,4
,
Masao TOMITA
5
,
Satoshi TOHMATSU
6
,
Yosuke WADA
6
,
Tohru TSUJIMURA
7
1医療法人社団浅ノ川浅ノ川総合病院リハビリテーションセンター
2旧 医療法人明和会辻村外科病院リハビリテーション部
3金沢大学附属病院リハビリテーション部
4東京農工大学大学院工学府材料健康科学寄附講座
5藤田医科大学保健衛生学部リハビリテーション学科
6医療法人明和会辻村外科病院リハビリテーション部
7医療法人明和会辻村外科病院
キーワード:
恐怖心
,
チルトテーブル
,
左前大脳動脈塞栓症
,
座圧
Keyword:
恐怖心
,
チルトテーブル
,
左前大脳動脈塞栓症
,
座圧
pp.861-865
発行日 2022年7月15日
Published Date 2022/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202744
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要旨 【まえがき】左前大脳動脈塞栓症の症例に対し,長下肢装具を導入したが恐怖心が強く,それに配慮したチルトテーブルでの頭部の立ち直りを促す介入に変更した.介入変更が本症例の座位バランス戦略の改善に奏効したと考えられたため報告する.【方法】10病日おきに計6回,座圧計測および姿勢分析を行い,バランス戦略を評価した.計測2〜4回目のチルトテーブルでの介入では,努力的にならず頭部が鉛直になるように支持面となる傾斜角度を調整して立ち直り反応を促した.その他の期間は,長下肢装具で介入した.【経過および結果】Center of pressureの総軌跡長が減少,単位面積軌跡長が増加した.姿勢や座圧分布では,筋緊張を高めた座位バランス戦略から動的な姿勢制御の戦略への変化が観察され,端座位や移乗動作能力が改善した.【考察】恐怖心によって姿勢を固定する傾向であった本症例に対し,チルトテーブルでの介入が動的な姿勢制御を促すのに有効であると示唆された.
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