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報告
CR型人工膝関節全置換術後の膝関節屈曲可動域と膝蓋骨位置および膝蓋大腿関節裂隙間距離の検討
The relationships of knee flexion range of motion and patellar position with patello femoral joint space distance after cruciate retaining total knee arthroplasty
中井 亮佑
1
,
小野 志操
2
,
為沢 一弘
2
,
團野 翼
2
,
小林 雅彦
3
,
山下 文治
3
Ryosuke NAKAI
1
,
Shiso ONO
2
,
Kazuhiro TAMEZAWA
2
,
Tsubasa DANNO
2
,
Masahiko KOBAYASHI
3
,
Fumiharu YAMASHITA
3
1大野整形外科クリニックリハビリテーション科
2京都下鴨病院理学療法部
3京都下鴨病院整形外科
キーワード:
人工膝関節置換術
,
膝関節屈曲可動域
,
膝蓋骨位置
Keyword:
人工膝関節置換術
,
膝関節屈曲可動域
,
膝蓋骨位置
pp.342-347
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202254
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要旨 【目的】人工膝関節全置換術(total knee arthroplasty:TKA)後の膝屈曲可動域と膝蓋骨位置や膝蓋大腿関節裂隙間距離との関連についての報告は,筆者らが渉猟し得た限り見あたらない.本研究の目的は,膝屈曲可動域と膝蓋骨位置および膝蓋大腿関節裂隙間距離の関係性について検討することである.【対象と方法】対象は後十字靱帯温存(cruciate retaining:CR)型TKA後理学療法が施行された症例71例82膝とした.検討項目はBody Mass Index,術後3か月時の膝屈曲可動域,コンポーネント設置角度,大腿骨後顆の厚さ,joint line,Insall Salvati ratio,膝蓋骨傾斜角度,外側裂隙間距離,内側裂隙間距離とした.【結果】膝屈曲可動域は不良群が112.9±6.9°,良好群が131.0±6.0°と有意に良好群が高値を示した(p<0.01).膝蓋骨傾斜角度は,良好群に対して不良群は有意に高値を示した(p<0.01).外側裂隙間距離は,良好群に対して不良群は有意に低値を示した(p<0.01).内側裂隙間距離は2群間に有意差はなかった(p=0.78).膝屈曲可動域が低値を示すほど,膝蓋骨の外側傾斜は増大し外側裂隙間距離は狭小していた.【結語】膝屈曲可動域の制限因子として,水平面上における膝蓋骨の外旋拘縮が一要因となると考えられた.
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