連載 私のターニングポイント・第13回
人間万事塞翁が馬
長谷川 正哉
1
1県立広島大学保健福祉学部
pp.83
発行日 2021年1月15日
Published Date 2021/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551202183
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まず,私は順風満帆,意気揚々と進む健全な理学療法士ではありません.むしろ,理学療法士としての22年を振り返ると,停滞し悶々と過ごした日々こそがターニングポイントだったと感じます.
最初のターニングポイントは,実習中にスーパーバイザー(SV)から「臨床に向いていない」と告げられたことから始まります.その指摘に妙に納得させられる部分があり,自身の適性について思い悩む日々が続きました.また,臨床向きではないという評価から病院就職に対する不安が募り,ひとまず進学して2年間の猶予期間を設けるという逃げの選択をしました.進学後も適性についてはわからないままでしたが,その期間に取得した学位や研究の経験が幸いし,後に教員の道を拓く礎となりました.もしSVの指摘がなければ,あるいはその指摘に立ち止まって悶々としていなければ,現在の私はいなかっただろうと思います.
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