連載 とびら
変わらないために変わること
長谷川 信
1
1群馬大学医学部附属病院
pp.133
発行日 2020年2月15日
Published Date 2020/2/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201791
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私は急性期領域の理学療法に従事してきました.この四半世紀の間,理学療法を取り巻く環境は大きく変わり,急性期病院では早期離床が当たり前となり在院日数も大幅に短縮されてきました.昨今では病院機能が分化し,新人の頃に発症から在宅まで担当できた時代が懐かしく思い出されます.また,理学療法士数が大幅に増え医療のみならず介護予防などさまざまな領域で活躍できる場が増えました.理学療法にとって追い風にみえますが,同時に社会的ニーズにどれくらい応じられるか試されている感じも否めません.社会から期待される理学療法を進めていきたいものです.
もう一つ変わったことといえばICT(information and communication technology)技術でしょうか.以前は書籍や雑誌でさまざまな知識や情報を得たものですが,インターネット環境の整備で多くの新しい情報を即座に得られるようになりました.また電子メールの普及により郵便や電話が減少したように思えます.情報の量や速さは格段に便利になったと思われる反面,情報に振り回されているような印象です.一方で,情報の吟味や漏洩など注意が必要となったりメール対応に追われる繁忙さは新たな悩ましい変化です.
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