1ページ講座 外国人とのコミュニケーション
アフリカ
長谷川 仰子
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1一般社団法人アフリカ開発協会
pp.710
発行日 2019年7月15日
Published Date 2019/7/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201607
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今私たちは「アフリカ」という言葉をまるで国名のように使っていますが,アフリカ大陸の面積は中国,米国,欧州を加え合わせたよりも広く,そこには現在55の国と地域があります.過去には欧州の国々の植民地であった国も多く,その名残で公用語は英語,フランス語,アラビア語,ポルトガル語とさまざまです.加えて,スワヒリ語などの母語が数千語も使われています.また,宗教も多種多様でキリスト教,イスラム教から土着の宗教まで数えきれないほどです.そしてアフリカを語るときに忘れてはならないのが民族で,その数は800とも1,000を超えるともいわれています.1つの民族が国境に分断されて数か国にまたがって住んでいることも稀ではありません.
こうした状況を考えると,アフリカ出身の患者が医療機関に来院したときには,このように対応するのがよいとひと言で言うことはできません.患者がどの国の出身で,どのようなバックグラウンドをもっているのかを,1人ひとりに丁寧に尋ねることが必要です.
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