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はじめに
東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会(以下,東京2020大会)への期待は日増しに高まっており,競技者,開催委員会,報道陣,観衆は盛り上がりを増している.開催中の主要な関心事の1つは,競技者が競い,記録を破るために適切な医療システムを提供することである1).国際オリンピック委員会と国際パラリンピック委員会は,東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会と連携し,これらの目的を達成するための適切な構造,ロジスティクスおよび専門家集団を確立する1).
ボランティア活動は大会運営の重要な要素である2).医療従事者は,経験,言語能力,スケジュールに基づき選定される2).さらに,彼らはチームのなかで他の専門職とどのように働くのかを知る必要がある.医療システムは機器や備品の質,さらに医療従事者の専門的能力に左右される.したがって,ボランティアの選定や,本当に必要な備品およびその数量と質の比率の定義づけは,慎重に検討されなければならない.
理学療法サービスは,怪我の治療およびリハビリテーションの提供において極めて重要な役割を担う1).さらに,理学療法士は予防,維持,回復のための介入を通して競技者のパフォーマンスの支援も行う1).理学療法サービスについて初めて調べたのはAthanasopoulosら3)であり,怪我の性質や提供された治療内容,さらにアテネ2004大会での医療部門の施設や組織について報告している.同様のテーマでの最新の報告はGrantら1)によるものであり,ロンドン2012大会期間中に行われたスポーツ理学療法について記述されている.理学療法士はこの種のスポーツイベントにおいて主要な役割を担っており,高い責任感と能力をもって対処する用意が必要である.
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