誌説
パリオリンピック狂騒曲
寺本 篤史
1
1札幌医科大学整形外科教授
pp.322-322
発行日 2025年4月1日
Published Date 2025/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/j_seikei76_322
- 有料閲覧
- 文献概要
昨年の夏も日本は全国的に猛暑であった.そんな中,フランスのパリではオリンピックが無事に開催され,とても熱い17日間であった.オリンピックの期間中は国際オリンピック委員会と国際連合が休戦を呼びかけるため,世界中の紛争休止や終戦が僅かに期待されたが,その効果は皆無であった.2022年の北京冬季オリンピック直後に始まったロシアによるウクライナ侵攻は2024年の夏も混迷を極めたままであり,パレスチナのガザ地区の停戦も先がみえない.トップアスリートは最高のパフォーマンスを発揮できる時間が限られている.戦争の影響で世界最高の舞台に立つことができないアスリートがたくさんいた.その無念を晴らすことはできないであろう.一方,オリンピックへの連続出場を果たしたうえに,連覇を達成したメダリストが日本から複数輩出されたことは大きなニュースであった.柔道の阿部一二三選手と永瀬貴規選手,そしてスケートボードの堀米雄斗選手である.
© Nankodo Co., Ltd., 2025