特集 変形性膝関節症に対する最新の保存療法
変形性膝関節症の保存療法における筋力
德田 一貫
1
,
阿南 雅也
2
,
高橋 真
3,4
,
新小田 幸一
3,4
Kazuki Tokuda
1
1社会医療法人敬和会大分岡病院
2大分大学福祉健康科学部理学療法コース
3広島大学大学院医歯薬保健学研究科生体運動・動作解析学
4広島大学大学院医歯薬保健学研究科附属先駆的リハビリテーション実践支援センター
キーワード:
変形性膝関節症
,
筋力トレーニング
,
臨床症状
,
メカニカルストレス
Keyword:
変形性膝関節症
,
筋力トレーニング
,
臨床症状
,
メカニカルストレス
pp.309-316
発行日 2018年4月15日
Published Date 2018/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201163
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はじめに
変形性膝関節症(knee osteoarthritis:以下,膝OA)患者の病態と筋力の関連性については,現在まで数多くの報告がある.膝OAの理学療法において,大腿四頭筋の筋力トレーニングとして,大腿四頭筋セッティングやstraight leg raising(SLR)練習などが求められる機会は少なくない.また,近年では膝OAの膝関節内反変形が前額面における変形の特徴であることから,大腿四頭筋の筋力に加えて,前額面の運動に関与する股関節外転筋群の筋力に着目した報告も散見する.
しかしながら,膝OA患者の大腿四頭筋や股関節外転筋群の筋力と臨床症状やメカニカルストレスとの関連や,筋力トレーニングによって得られる効果について明確にした報告はほとんどない.そこで,本稿では膝OA患者の筋力トレーニングとメカニカルストレス,疼痛や身体機能の改善にかかわる報告について紹介し,保存療法における筋力トレーニングの意義と限界について述べる.
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