特集 筋力低下と理学療法
多発性筋炎による筋力低下と理学療法
橋田 剛一
1
,
小仲 邦
1,2
,
阿部 和夫
3
Goichi Hashida
1
1大阪大学医学部附属病院リハビリテーション部
2大阪大学大学院医学系研究科神経内科学
3兵庫医科大学大学院地域包括ケア学講座
キーワード:
多発性筋炎
,
筋力低下
,
運動負荷
,
理学療法
,
治療ガイドライン
Keyword:
多発性筋炎
,
筋力低下
,
運動負荷
,
理学療法
,
治療ガイドライン
pp.29-34
発行日 2018年1月15日
Published Date 2018/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551201085
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はじめに
多発性筋炎(polymyositis:PM)は,自己免疫性の炎症性筋疾患で,主に体幹や四肢近位筋,頸部筋,咽頭筋などの筋力低下を引き起こす.筋炎の症状に加えて,特徴的な皮層症状を来すものは皮膚筋炎(dermatomyositis:DM)と呼ばれる.筋力低下,筋原性酵素の増加,筋の炎症,変性を示す組織や筋電図所見が本症の特徴であり,診断後に薬物療法と並行しての理学療法や,治療維持期の病状管理および後遺障害に対する長期的な理学療法を実践することが望ましい.また,PM・DMともに関節炎,間質性肺炎,心筋障害,悪性腫瘍などの他臓器の障害を合併することも理解をしておく必要がある.
本稿では,PMによる筋力低下に対する理学療法の進め方に関して,歴史的変遷をあらためて確認するとともに,これからの理学療法の取り組みの必要性と介入指針について述べる.
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