書評
図説 医学の歴史―坂井建雄 著
泉 孝英
1
1京都大学
pp.857
発行日 2019年10月20日
Published Date 2019/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206740
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650点を超す図版を収載した656ページに及ぶ大冊である.「膨大な原典資料の解読による画期的な医学史」との表紙帯が付けられている.私からみれば,わが国の明治の近代医学の導入(1868年)以来,150年の年月を経て,わが国の人々が手に入れることができた「医学の歴史」教科書の決定版である.医師・歯科医師・薬剤師・看護師・放射線技師・検査技師などの医療関係者だけでなく,一般の方々にも広く読んでいただきたい.豊富な図版は,専門知識の有無を問わず本書を読める内容としている.
教科書としてお読みいただく以上,「飛ばし読みは禁」である.まずは,573ページの「あとがき」からお読みいただきたい.坂井建雄先生の解剖学者・医史学者としての歩みの中から,本書誕生の歴史をたどることができる.坂井先生のこれまでの多数の学会発表,論文,書籍などから,幅広く資料収集に努めていられることは推察していたが,「ここまで!」との絶句が,本書を拝見しての私の第一印象である.
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