書評
―坂井建雄(著)―解剖実習カラーテキスト
松村 讓兒
1
1杏林大学・解剖学教室
pp.1266
発行日 2013年10月20日
Published Date 2013/10/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407104771
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人体解剖学実習は,医学部・歯学部の教員であっても,これにかかわることのない方にとっては「別世界の話」であり,その認識は「解剖学実習はどこの大学でも同じ」というものであろう.しかし,実際の実習の進め方はそれぞれの大学・教室によって異なる.これについては,近年のカリキュラム改変による実習時間の削減や,学生定員増に伴う教員不足などによる影響もあるが,それ以上に歴代の解剖学実習担当者による創意・工夫が大きな理由である.
このような解剖学実習のバリエーションに対し,従来,数多くの実習書が出版されてきた.いずれも著者によるさまざまな工夫が凝らされており,解剖学実習への思いが感じられる名著である.しかしながら,実際の実習で使用するとなると,必ずしも使いやすいとは言えない面があることも事実である.大学ごとの解剖手技やアプローチの違い,実習回数の違いなどにより,実習内容が振り分けしにくいためである.
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