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書評 —大橋俊夫,河合佳子●著—「生きている しくみがわかる 生理学」
本間 研一
1
1北海道大学
pp.526
発行日 2017年6月15日
Published Date 2017/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200898
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このたび,医学書院から『生きている しくみがわかる 生理学』が上梓されました.著者は,医学生理学界の重鎮である信州大学名誉教授(特任教授)の大橋俊夫氏と,新進気鋭の生理学者で東北医科薬科大学教授の河合佳子氏です.大橋俊夫名誉教授は循環生理学の泰斗で,同じ医学書院から出版されている大書『標準生理学』(第8版,2014年)の編者でもあります.
本書のタイトルは,生理学者からすれば同語反復に思えますが,著者の意図はまさにそこにあることが,一読してわかります.著者の長年にわたる生理学教育の経験から,学生さんの多くは,体系的な知識が網羅された生理学の教科書を読みこなして,「生きているしくみ」を理解することが次第に難しくなってきているとの思いがあるのではないでしょうか.ましてやその学生さんらが将来医師や医療従事者となったとき,果たして患者さんに対して疾患の成り立ちや症状の「しくみ」などを適切に説明できるのだろうかという老婆心が,本書執筆の動機の一つであると思います.
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