特集 東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向けて
障がい者アスリートのメディカルサポート環境—現状と課題
門田 正久
1
Masahisa Monden
1
1医療法人社団飛翔会
キーワード:
障がい者スポーツ
,
メディカルサポート
,
トレーナー活動
Keyword:
障がい者スポーツ
,
メディカルサポート
,
トレーナー活動
pp.569-576
発行日 2016年6月15日
Published Date 2016/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200579
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
障がい者スポーツを取り巻く環境の変化
障がい者スポーツは,近年競技志向の高まりにつれて参加選手のサポート体制も変革期を迎えてきている.障がい者スポーツの代表的な大会ともいえるパラリンピック競技大会においても競技力向上志向が始まり,世界では,2001年に国際オリンピック委員会(International Olympic Committee:IOC)と国際パラリンピック委員会(International Paralympic Committee:IPC)との協力関係が話し合われ,2008年北京大会からIOCからの支援体制を受けることが始まっている.これにより,IOCの規則に則ることが義務化されてきており,これによるクラス分けも厳しくなり,よりエリートスポーツの色を出し始めている.
わが国においては障がい者スポーツの環境は2011年6月にスポーツ基本法が制定され,そのなかで「障害者が自主的かつ積極的にスポーツを行うことができるよう,障害の種類及び程度に応じ必要な配慮をしつつ推進されなければならない」と基本理念が明記され,これを皮切りに毎年のように制度などが激変している.2012年には「スポーツ基本計画」が,2013年9月には「2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会」の開催が決まり,2014年4月からは障がい者スポーツ事業のうちスポーツ振興に関係する事項は厚生労働省から文部科学省に移管されている(表)1).
Copyright © 2016, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.