臨床実習サブノート 臨床実習で患者さんに向き合う準備・2
脳外傷
中島 龍星
1
,
井手 伸二
1
Ryusei Nakashima
1
1一般社団法人是真会長崎リハビリテーション病院臨床部
pp.566-572
発行日 2015年6月15日
Published Date 2015/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551200247
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はじめに
脳外傷は名前のとおり,何らかの事故により外部の衝撃から直接的あるいは二次的に脳にダメージを受けたものを表す1,2).したがって,主治医(通常は脳神経外科医またはリハビリテーション科医)から脳外傷の診断のもと理学療法が処方された場合には,対象患者は脳機能に何らかの障害を生じている可能性が高いこと,つまり意識障害や運動麻痺,感覚障害,高次脳機能障害などが存在し,基本的動作やADLなどに関する能力障害を生じていることが想定される.脳外傷が脳梗塞や脳出血などの脳卒中と病態上特に異なることは,局所的脳損傷による症状・障害に加えて,脳の広範な損傷による多様な高次脳機能障害が存在していることであり,障害の構造がより複雑化することを想定する必要がある.
では,学生が臨床実習において脳外傷患者とよりしっかりと向き合っていくために,「前もって準備しておくこと」,「心掛けておくこと」は一体何であろうか.これまでの筆者の臨床経験を振り返りながら,学生に大切にしてもらいたいことを以下に紹介したい.
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