臨床実習サブノート 理学療法をもっと深めよう・2
運動器疾患の下肢疼痛を理解する
永井 聡
1
Satoshi Nagai
1
1広瀬整形外科リウマチ科
pp.445-452
発行日 2013年5月15日
Published Date 2013/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1551106294
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疼痛すべてを運動療法では解決できない
運動器疾患のほとんどに疼痛は合併しており,疼痛発生原因をどのようにとらえ対応するかは理学療法上重要である.運動器疾患の病態は,正常な関節運動からの逸脱に起因することが多く,日常生活でのメカニカルストレスが疼痛の原因となる.したがって,正常な関節運動に近づけることが疼痛寛解につながる.
しかし,疼痛を訴える患者すべてに運動療法を適応できるものではなく,メカニカルストレスに起因する疼痛なのか,メカニカルストレスとは関係なく自発的な関節破壊や変形(関節リウマチに代表される疾患)による疼痛なのか,原疾患は何かなど,対象と病態を明確にしなければ,当然理学療法の効果も得られにくい.すなわち姿勢の改善などをアウトカムにした運動療法で対応できるものなのか,それとも疼痛に対応する物理療法,あるいは内服や注射,安静・固定などで治療すべきなのか,判断できるようになることが重要である.
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